珈琲編:手挽きミルで“朝の10分”を整える
はじめに:香りでスイッチを入れる
電動より“ひと手間”多い手挽きは、香りが立つ前の静けさまで楽しめます。忙しい日でも、豆を量る→挽く→注ぐの10分だけで、頭が整い、所作に艶が出る。これがイケおじの朝習慣です。

基本レシピ(まずはこれで安定)
- 豆: 15g(中煎り推奨)
- 湯: 230g(**92℃**目安)
- 挽目: 中細挽き(ドリッパーに砂が少し混じる印象)
- 抽出時間: 2分30秒〜3分
- 味のキャラ: 甘さ◎ / 透明感◎ / 苦みほどよく
コツ:迷ったら「豆1g:お湯15g」で覚える。
手順:朝の10分ルーティン
- 準備(1分):ケトルに湯、ドリッパー+ペーパーをセット。器具は熱湯で予熱。
- 計量(30秒):豆15gをスケールで。
- 手挽き(1分半):一定の速度で。回す力は一定を意識。
- セット(20秒):挽いた粉を軽くならし、ドリッパー中心へ。
- 蒸らし(40秒):40g注いで止める。粉全体がふくらめばOK。
- 本注ぎ(1分):中心小円→外周→中心へ穏やかに。
- 仕上げ(20秒):お湯230gまで注いだら、粉面に触れず落ち切る前にドリッパーを外す。
透明感が欲しい日は抽出2:30で切り上げ。コクを出す日は2:50〜3:00まで。

挽目と温度で味が変わる(簡単チューニング)
- 酸っぱすぎる→ 挽目を細かく / 湯温を1〜2℃上げる
- 苦すぎる→ 挽目を粗く / 湯温を1〜2℃下げる
- 薄い→ 粉量+1g or 総湯量-10g
- 重い→ 注ぐスピードをやや速くして滞留を減らす
豆選び:最初の3タイプで“舌を育てる”
- 中煎りブレンド:バランス良し。まずは基準に。
- エチオピア(浅〜中):華やかな香りで“香りの違い”が分かる。
- ブラジル(中〜深):ナッツ/チョコ系。ミルクとも好相性。
保存:常温は1〜2週間で使い切り。長引く時は密閉→冷凍、抽出直前に必要分だけ取り出す。

道具は“最小構成”で十分(買い物ガイド)
- 手挽きミル:均一性が命。刃はステンレス or セラミック、クリック式で微調整できるもの。
- ドリッパー:最初は台形 or 円錐どちらでもOK。扱いやすさ優先。
- 細口ケトル:注ぎ口が細いほど再現性アップ。
- スケール:0.1g単位で計れるもの。タイマー付きが便利。
- サーバー/マグ:厚手は温度維持◎。必ず予熱。
予算をかける順番:ミル > ケトル > スケール > ドリッパー
平日・時短アレンジ(+30秒で変わる)
- 缶詰+一工夫:さば缶に黒胡椒、オイルサーディンにレモン皮少々
- スイート:黒糖5g+シナモン少々でラテ風の余韻
- アイス(夏):同レシピで濃いめ→氷たっぷりグラスへ直接抽出
手挽きミルのメンテ(週1ルーティン)
- 毎回:ブラシで粉を落とす
- 週1:分解して刃の粉だまりを除去
- 月1:ネジの緩みチェック。挽目ズレの原因を予防
よくある質問(FAQ)
Q. 豆は挽き置きしても良い?
A. 香りが逃げるのでNG。どうしてもなら当日朝に。
Q. 92℃が作れません。
A. 沸騰後にフタを外して1分でおよそ92℃。マグに注いで戻すと約1〜2℃下がる点も計算に。
Q. 深煎りが好き。配合は?
A. 豆15g/湯220g/90℃/2:30目安。**蒸らし長め(50秒)**で甘みを引き出す。
まとめ:所作がつくる“渋み”
手挽きは、味以上に自分の時間を整える技術です。レシピはそのままでも、注ぐフォームや呼吸が日ごとに変わる。その微差を楽しめたら、あなたはもう“イケおじ”の仲間入り。


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