はじめに:解像度より“余韻”
フィルム風は画素より空気感。やることは3つ——
①夕方の光を拾う ②画面から要素を引く ③粒状で“記憶色”に寄せる。スマホ1台で十分。
光の時間帯と構図の引き算
光の時間帯(ゴールデン〜ブルー)
- 16:00–日没直前:横からの斜光で影が伸び、立体感が出る
- 日没後15分:街灯×残照で色温度が混ざり、ノスタルジーが乗る

引き算の構図
- 主役は1つ(手元/靴/湯気など)。脇役は2つまで
- 画面の1/3は空ける(影や壁を“余白”に)
- 斜めに走る影や道路ラインを使い、視線を誘導
露出は**-0.3〜-1.0**から。暗部を残すと“映画感”。

基本レタッチ(露出/彩度/粒状)
触る順番(約30秒)
- 露出:-0.2〜-0.5(白飛び回避)
- ハイライト:-20〜-40(空や紙の白を落ち着かせる)
- シャドウ:+10〜+25(黒潰れを少し戻す)
- 彩度:-5〜-15(全体を落ち着かせる)or 自然な彩度+5(肌色だけ起こす)
- 色温度:+200〜+600Kで暖色寄せ(夕方の“記憶色”に)
- 粒状:8〜20(アプリの強度基準)。粒のサイズは小さめ
- シャープネス:0〜10(やりすぎると“デジタル感”)

トーンカーブのひと手間(お好み)
- S字弱でコントラストを軽く
- 黒端を少し上げると“フィルムっぽい黒”(フェード)
被写体は“手元と道具”
- 時計+本+マグ:影が作りやすく、年代感が出る
- 靴+路面のライン:歩きのストーリー性
- ペン先/紙/革小物:質感の相性が良い
小道具と配置
- 素材は木・革・陶器・紙を優先(反射が柔らかい)
- 斜光=45°を意識し、影を対角線に走らせる
- 画面の下1/3に手の動きを入れると“生感”が出る

SNS映えの書き方(最短テンプレ)
- 情景1行:「16:40、影が机を渡っていく。」
- 技術1行:「露出-0.5/ハイライト-30/粒状12。」
- 余韻1行:「コーヒーの香りまで写る気がした。」
ハッシュタグは3〜6個に抑える:
#スナップ写真 #フィルム風 #スマホ写真 #夕方の光 #粒状感 #イケおじ
失敗→即修正メモ
- 色がくすむ:自然な彩度+5、色温度+200K
- のっぺり:黒レベル-5、コントラスト+6
- ノイズ荒れ:粒状を下げ、シャドウを+10戻す
- 主役が弱い:寄るか、脇役をフレーム外へ
まとめ:余白が“記憶色”を呼び出す
被写体はシンプル、影は長く、粒は控えめ。撮る→引く→少し足すの順で、スマホの画面に“余韻”を残そう。


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