はじめに:レシピより“段取り”
旨いは段取り=順番で決まる。まずは出汁を引き、味噌を合わせ、主菜を焼く。最後に“+α(副菜or果物)”で彩りを足せば、毎日続く。
基本出汁と味噌の選び方
① 基本の一番出汁(約600ml)
- 材料:水700ml/昆布10g(5×10cm)/削り節15g
- 手順(10分)
- 水+昆布を30分浸け(可能なら冷蔵で2〜3時間)
- 中火でフツフツ直前まで→昆布を引き上げる
- 削り節投入→1分弱火→火を止め2分置く→濾す
- 使いどころ:味噌汁・茶碗蒸し・吸い物
- 即席代替:出汁パック1袋+湯600mlでもOK(沸かしすぎない)

② 味噌の選び方(2本柱に絞る)
- 米味噌(淡色・中甘口):毎日の味噌汁の“基準”
- 合わせ味噌(赤+白):コクを出したい夜に
迷ったら米味噌:合わせ=1:1でブレンド。具材は豆腐・わかめ+ねぎが最強の定番。
③ 味噌汁の黄金比
- 出汁200ml:味噌約小さじ2(8〜10g)
- 手順:具材を出汁で煮る→火を止めて味噌を溶く→沸騰させない
- 具の回し:豆腐/大根&油揚げ/なめこ&豆腐/じゃがいも&玉ねぎ
メイン3品(焼き魚/豚の生姜焼き/鶏の塩麹)
1) 焼き魚(さば or 鮭/10分)

- 下準備:塩を両面にひとつまみ→10分置き→水気を拭く
- 焼き:フライパンにクッキングシート→中火で皮目5分→裏3分
- 仕上げ:最後の30秒で酒大さじ1を回し、ふっくら
- +α:大根おろし+レモン、七味少々
2) 豚の生姜焼き(15分/2人分)

- 材料:豚ロース薄切り250g、玉ねぎ1/2
- タレ(混ぜておく):醤油大さじ2/みりん大さじ2/酒大さじ1/おろし生姜小さじ2/砂糖小さじ1/2
- 手順
- 玉ねぎ薄切りを先に炒めて取り出す
- 豚を油少々で両面サッと
- タレ→強めの中火1分で絡める→玉ねぎ戻し
- コツ:肉は重ねない、煮詰めすぎない。仕上げに黒胡椒
3) 鶏の塩麹ソテー(下味5分+焼き12分)
- 材料:鶏もも300g、塩麹大さじ1.5、にんにく少々
- 下味:塩麹を揉み込み5分置く(前夜からでも◎)
- 焼き:皮目を弱め中火6分動かさず→裏返して5〜6分
- 仕上げ:レモン少々、仕上げバター5gで香り出し
- 注意:塩麹は焦げやすいので火加減控えめ
副菜の定番:ほうれん草おひたし(2分茹で→絞り→出汁+醤油)、きんぴら(ごぼう・にんじん千切り+醤油みりん1:1)。
器選びで“旨そう”に見せる

色×形のルール
- ご飯:白磁/小ぶり、汁椀:木製で温かみ
- 主菜皿:濃色(紺・墨)×リム浅めで締まる
- 小鉢:生成り/木で抜け感
- 三角配置(主菜・ご飯・汁)で視線を誘導
配色の黄金比(白・黒・茶・緑・赤)
- 白(ご飯・豆腐)、黒/濃色(皿)、茶(焼き色)、緑(薬味)、赤(梅・七味)
- 例:鮭の焼き色(茶)+レモン(黄)+大葉(緑)→紺皿で全体を締める
盛り付けの所作
- 余白は皿の1/3残す
- ふちを拭く
- 高さを薬味で少し作る(大根おろしを山に)
忙しい日の段取り術(タイムライン例:25分で完成)
- 00:00 鍋に水を張り昆布投入(出汁の浸水開始)
- 00:02 米を研ぐ(炊飯開始)
- 00:05 味噌汁の具(大根等)を切る/副菜用の野菜も一緒に下ごしらえ
- 00:10 出汁加熱→削り節→味噌は火を止めて溶く直前まで
- 00:15 主菜の下味or塩→フライパン予熱
- 00:18 主菜を焼く(同時に副菜を和える)
- 00:24 味噌を溶く→盛り付け→00:25配膳
さらに楽する:週末に“ベース3種”を作り置き
- 塩麹チキン:1枚ずつ小分け冷蔵2〜3日
- きんぴら:3日
- 出汁ストック:製氷皿で冷凍→1回分ずつ
一汁一菜+αの“型”(迷わない献立テンプレ)
- 汁:豆腐+わかめ味噌汁(出汁200ml、味噌小さじ2)
- 主:鶏の塩麹ソテー or 焼き魚 or 生姜焼き
- 菜(+α):季節の副菜1品 or 果物(みかん、りんご)
- ご飯:白米150g(茶碗軽め1杯) or 十六穀米
体を整える日は**“野菜2倍”**(味噌汁の具を増やすだけでOK)。
よくある質問(FAQ)
Q. 出汁を毎回取るのは大変。
A. 出汁パック+湯でOK。沸騰させすぎないのがコツ。
Q. 焼き魚がパサつく。
A. 塩→10分置き→酒蒸らし仕上げで水分キープ。
Q. 生姜焼きが固い。
A. 焼きすぎNG。タレを入れたら1分で止める。
Q. 塩麹が焦げる。
A. 弱め中火で皮目から。焦げそうなら水小さじ1で温度を下げる。
まとめ:毎日続く“うまい”は、静かな所作から
出汁→味噌→主菜→+α。やることは少ないが、所作は美しい。台所はステージ。今日も一皿で、生活に“渋み”を。


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