はじめに:和を“日常速度”に落とす
肩肘張らない着流しは、休日の散歩やカフェにも馴染む。ポイントは素材・足元・色の3点。小物は軽く、“抜け”を作ろう。
着流し基本と季節の素材
春(3–5月)
- 素材:綿×麻(コットンリネン)、単衣(ひとえ)
- 質感:風を含んでドライ。色は生成り×藍で清潔感
- インナー:薄手カットソー/和装肌着。汗ばむ日はステテコで快適
夏(6–9月)
- 素材:麻(近江・越後)or セオα系の機能素材浴衣
- 帯:羅・麻の角帯で軽く。素足×下駄 or 白スニーカー
- 小物:扇子、手ぬぐい、サングラス(細身フレーム)
秋(10–11月)
- 素材:綿紬・ウール混。単衣→袷への移行期は薄手羽織が便利
- 重ね:ニットのタートルネックを差すと都会的
冬(12–2月)
- 素材:袷(あわせ)+ウール羽織。中は発熱インナー
- 防寒:ストールをマフラー巻き、足袋は起毛素材
迷ったら「単衣×綿麻」が年間の土台。羽織・ストールで季節調整。
足元は草履?それともスニーカー?

草履・下駄
- 雰囲気:和度が上がり、所作が静かに
- 選び:鼻緒は無地〜細かな織りで大人っぽく。台は黒・濃茶
- バランス:裾はくるぶし上で軽さを出す
スニーカー
- 雰囲気:街に溶ける“和モダン”。初心者も取り入れやすい
- 選び:白/黒ローテク(キャンバスorレザー)
- コツ:足袋ソックスで甲見えを抑え、裾長はやや短めに
トート&時計
- トート:生成りキャンバス or レザー。口が広く写真映え◎
- 腕時計:薄型レザー。金属ブレスは控えめが和装に馴染む
カラー指南:藍・墨・生成り

藍(インディゴ)
- 清潔感と知性。差し色は白/銀。羽織は濃→薄のグラデがお洒落
墨(チャコール〜黒)
- 締まりと艶。素材差(マット×艶)で立体感。帯は焦茶で柔らげる
生成り(アイボリー)
- 抜け感。汚れが気になる日は霜降り生成りやベージュへ
3色ルール:全身3色以内。柄は“無地7:柄3”が街スナップ向き。
撮られ方のコツ(路地スナップ基礎)
立ち方
- 体を**半身(30°)**にして片足を半歩前へ。帯位置からV字にシワを流す
手と目線
- 右手はトートの持ち手、左手は帯の結び目へ軽く添える
- 目線はカメラ外の先。笑いは口角だけで“にこり”
スマホ撮影設定
- 露出**-0.3〜-0.7**、焦点は目→シャツ衿→帯の順
- 路地のリーディングライン(石畳・建物)をフレーム端から斜めに
コーデ例(そのまま真似できる3体)

- 藍×生成り:藍の単衣+生成り角帯+白スニーカー+生成りトート
- 墨ワントーン:墨の紬+黒羽織+黒ローテク+茶レザー時計
- 生成りベース:生成り着流し+藍羽織+焦茶帯+ベージュスニーカー
お手入れメモ(長く付き合う)
- 帰宅後は風通しで湿気抜き→ブラッシング
- 汗シーズンは半衿をこまめに交換、洗える襦袢で清潔感キープ
まとめ:和を軽く、街を深く
着流しは“構えない所作”。素材・足元・色の3点を押さえ、余白のある大人へ。路地で一枚、今日はあなたが“シティの侍”。


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