これからイケおじを目指す人へ 9

イケおじのスタイル

“話を聞ける男”になる会話術:共感→提案の順番

反射で共感する30秒

会話の主役は、情報ではなく話し手の感情だ。最初の30秒にやることは一つだけ——評価も解決も置いて、共感を返す
「それは驚いたね」「大変だったね」「悔しかったね」など、感情語をそのまま映す。表情はうなずき、相づちは「うん」「そっか」。相手が話し終えるまで遮らない。この“共感の30秒”は、相手の緊張をほどき、あなたが安全な聞き手であることを示す合図になる。家庭なら、帰宅直後の妻や子の話はニュースではなく“気持ちの報告”。まず温度に寄り添い、事実確認はその後でいい。上司・部下関係でも同様。先に評価やアドバイスを差し出すほど、会話は防御的になっていく。


要約・確認・質問の三点セット

共感で土台ができたら、次は要約→確認→質問の三点セットへ。

  1. 要約:「つまり、◯◯が起きて、△△で困っている、で合ってる?」
  2. 確認:「私の理解、間違ってない?」
  3. 質問:「一番つらかったのはどこ?」「どうなれば一歩進んだ感じがする?」
    要約は事実×感情の両方を短くまとめるのがコツ。確認は主導権を相手に戻す行為で、ここでズレを修正できる。質問は選択肢を“広げる”問いが基本。WhyよりWhat/Howで聞くと、相手は責められずに考えやすい。メモは名詞と矢印だけ(例:「納期→変更」「負担↑」)。言い換えやまとめ直しが増えるほど、相手の思考はクリアになっていく。三点セットは、家庭のすれ違い、職場の行き違い、友人の相談まで万能だ。

提案は最後に“1つだけ”

解決案は最後に、1つだけ。選択肢を並べるほど、相手は判断疲れを起こす。

  • 悪例:「AもあるしBも…Cも…」→情報洪水で思考停止。
  • 正解:「まず私が◯◯連絡を引き取る。今日はそれだけでどう?」
    提案の条件は実行が明快・負担が小さい・期限が近いの三つ。家庭なら「明日は僕が朝のゴミ出し+保育園送りを引き受ける」など“行動の引き取り”が効く。職場では「初稿は私がつくる。あなたはレビューだけ」など役割の切り分けが有効だ。アドバイスを求められていない場面では、提案の前に必ず許可を取る——「提案を一つ言ってもいい?」。この一言で相手の自律性が保たれ、受け入れ率が上がる。

まとめ:聞ける男は、順番で勝つ

  1. 共感の30秒で感情に寄り添う。
  2. 要約→確認→質問で認知を整える。
  3. 提案は最後に1つで行動に落とす。
    どれも特別なテクニックではない。順番を守るだけで、会話の摩擦は驚くほど減る。家でも職場でも、相手が「この人に話すと楽になる」と感じた瞬間、信頼は静かに積み上がる。聞ける男は、優しいだけでなく賢く、頼りになる

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