夏の終わりが近づく頃、私は毎年のように「午後になると頭が回らない」と感じていました。
朝はまだ動けるのに、昼食後から急に集中力が落ちる。パソコンの前に座っていても、同じメールを何度も読み返す。簡単な判断にも時間がかかる。
若い頃は「気合いが足りないだけだ」と考えていました。しかし50代になると、暑さ、睡眠の浅さ、疲労の残り方が少しずつ変わってきます。根性で押し切るより、仕事の並べ方を変えた方が現実的だと感じるようになりました。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、気温だけでなく湿度や日射なども考慮した暑さ指数、WBGTが熱中症予防の指標として使われています。暑さは気分の問題ではなく、体に負担をかける環境要因として考えた方が安全です。
最初に失敗した方法
以前の私は、朝からメールを全部確認していました。
「まずは受信箱を空にしてから仕事を始めよう」と考えていたのです。ところが、これが失敗でした。返信、確認、ちょっとした相談、添付資料のチェック。気づくと午前中の一番集中できる時間が、細かい対応だけで終わっていました。
そして午後に、企画作成や資料づくりのような重い仕事を始める。暑さで体がだるくなっている時間帯に、頭を使う作業を残していたわけです。
結果として、夕方に焦り、残業気味になり、翌朝も疲れが残る。この流れが一番よくありませんでした。
実際に試した方法

そこで私は、夏場だけ仕事の順番を変えました。
まず、朝一番にやることを「メール確認」ではなく「今日一番大事な仕事」にしました。資料作成、企画の下書き、数字の確認、判断が必要な連絡。こうした頭を使う作業を、午前中の前半に置きます。
メール確認は、朝の短時間、昼前、夕方の3回に絞りました。もちろん急ぎの連絡がある仕事では調整が必要ですが、すべてのメールをリアルタイムで追いかける必要はないと分かりました。
午後は、判断力が落ちても進めやすい作業に回します。領収書整理、ファイル名の変更、翌日の準備、定型文の返信、資料の微修正などです。
厚生労働省の職場における熱中症対策でも、WBGT値の把握や暑さに応じた予防対策が重視されています。外仕事だけでなく、暑さを軽く見ず、働き方そのものを調整する意識は大切だと感じます。
変化または気づいたこと

一番大きな変化は、「午後に頑張らなくてもよくなった」ことです。
午前中に重要な仕事をひとつ終えているだけで、午後の気持ちがかなり楽になります。午後に集中力が落ちても、「今日はもう大事な山は越えている」と思える。この安心感は大きいです。
もうひとつ気づいたのは、やる気は自然に出るものではなく、出やすい時間に仕事を置くものだということです。
50代になると、若い頃のように夜まで集中力を引っ張るのは難しくなります。だからこそ、自分の体調がまだ整っている時間に、重要な仕事を済ませる。これは逃げではなく、大人の段取りだと思います。
同年代にすすめる理由

50代の仕事は、量だけでなく判断の質も求められます。
だからこそ、午後の疲れた時間に大事な判断を残すより、午前中に頭を使う仕事を寄せた方が、ミスを減らしやすくなります。
私がすすめたいのは、完璧な時間管理ではありません。まずは、明日の朝にやる重要業務をひとつだけ決めることです。
たとえば、朝9時から10時までは資料作成。10時以降にメール確認。午後は確認作業と翌日の準備。このくらいシンプルで十分です。
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、健康づくりにおいて個人の状態に応じた無理のない取り組みが重視されています。仕事の進め方も同じで、夏場は自分の状態に合わせてペースを組み直すことが、長く働くための工夫になります。
向いていない人・注意点

この方法は、すべての人に合うわけではありません。
朝から現場対応や接客がある人、緊急連絡が多い職種の人は、午前中を完全に自分の時間にするのは難しいと思います。その場合は、朝の30分だけでも「考える仕事」に使う形がおすすめです。
また、暑さによる強いだるさ、めまい、吐き気、頭痛などがある場合は、時間管理で解決しようとせず、涼しい場所で休む、周囲に相談する、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。厚生労働省の職場向け資料でも、熱中症のおそれがある人を早期に見つけ、適切な対応につなげる体制が重視されています。
無理をして働き続けることが、仕事熱心というわけではありません。50代からは、自分の体調を読んで、仕事の置き場所を変える力も必要です。
夏の午後に集中できないなら、午後の自分を責めるより、午前中の使い方を見直す。
それだけで、仕事の疲れ方は少し変わってくるはずです。
参考資料
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 環境省「暑さ指数(WBGT)について学ぼう」
- 厚生労働省「令和8年 STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」
- 厚生労働省「職場における熱中症予防情報|暑さ指数について」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
著者ボックス
この記事を書いた人:
[著者名・辺境のおじ様]|地方都市で暮らす50代男性
地方都市で暮らす50代男性として、仕事、身だしなみ、体調管理、休日の過ごし方を実践しながら発信しています。若作りではなく、清潔感・落ち着き・無理のない習慣を大切にしながら、同年代の男性が少し前向きになれる記事づくりを心がけています。
