「俺が助けに行く!」その前に考えておきたいこと
地震、台風、集中豪雨。
ニュースで被害の様子を見るたびに、ふと考える。
もし今、自分の住む町で大きな災害が起きたら、どう行動するだろうか。
家には大切な家族がいる。職場には長年付き合ってきた仲間がいる。近所には顔見知りのお年寄りもいる。
50代にもなると、守りたい顔が自然と増えてくるものだ。
「何かあったら俺が何とかする!」
そう言いたくなる気持ちは分かる。
しかし、現実の災害は映画とは違う。都合よくヒーローが登場するわけでもなければ、格好いいBGMも流れない。
今回は、辺境のおじ様なりに考えた、家族と仲間を守るための防災についてお話ししたい。
守りたい人はいる。でも、何から始めればいい?
例えば、平日の午後に大きな地震が発生したとしよう。
自分は職場。妻は自宅。仲間は外回り中。
電話はつながらず、LINEの返事もない。
そんな状況で「とにかく帰ろう」と車に乗ったらどうなるか。
道路の損傷や渋滞、余震など、新たな危険に巻き込まれるかもしれない。
家族を思う気持ちと、安全な行動は必ずしも一致しないのだ。
ここが防災の難しいところ。
50代は仕事でも家庭でも、つい責任を背負い込みがちな年代ではないだろうか。
しかし、災害時まで何もかも一人で背負う必要はないと思う。
最初に間違えたくない3つの判断
私が防災を考えるとき、特に気をつけたいことが3つある。
一つ目は、安否が分からないからといって、すぐに現場へ向かうこと。
心配だからこそ動きたい。しかし、危険な場所へ向かえば自分まで救助が必要になる可能性がある。
二つ目は、SNSの情報をそのまま信じること。
災害時には古い映像や未確認の情報が広がることもある。善意の情報共有が混乱を招く場合もあるのだ。
三つ目は、自分だけで全員を助けようとすること。
体力にも時間にも限界がある。必要なときは消防や救急、自治体などの支援につなぐ判断が欠かせない。
昔の自分なら「行動力こそ男の値打ち」と考えたかもしれない。
だが50代の今は、行動する前に一度考えられることも、大人の強さだと思っている。
私なら、まず4つの順番を決めておく

防災用品を買いそろえることも大切だが、まずは災害時の行動を整理しておきたい。
① 自分の安全を確保する
揺れや危険から身を守り、安全な場所へ避難する。
無理な救助を始める前に、まず自分が無事でいること。
② 家族の安否を確認する
連絡手段を一つに絞らず、電話、メッセージ、災害用伝言ダイヤル171などを家族で共有しておく。
集合場所や、連絡が取れない場合の行動も決めておきたい。
③ 正しい情報を確認する
自治体、気象庁、消防などの公式情報を優先する。
SNSは参考にしても、情報の発信元や日時を確認してから判断したい。
④ 安全な範囲で仲間を助ける
職場の安否確認に協力する。安全な場所から声をかける。必要な情報を共有する。
避難所では、物資の運搬や案内など、自分にできる役割を探すのもいい。
内閣府が紹介する「自助」と「共助」も、こうした考え方につながっている。
防災を見直すなら、今週末の15分から
私なら最初から立派な防災計画を作ろうとはしない。
まず紙を一枚用意して、次のことを書き出してみる。
- 家族と連絡が取れないときの方法
- 自宅と職場、それぞれの避難先
- 職場の仲間と安否を確認する手順
- 近所で助け合うために確認しておきたいこと
書いてみて答えられなかった項目こそ、これから備えるべき部分だ。
「備えているつもり」と「実際に行動できる」は違う。
その違いに気づくだけでも、最初の一歩になると思う。
50代だからこそ、仲間とのつながりを大切にしたい

地域で長く暮らし、仕事を続けてきた50代には、それなりの人とのつながりがある。
近所の人と挨拶をする。職場で緊急時の連絡方法を確認する。防災訓練に参加してみる。
どれも特別な資格は必要ない。
困ったときに「大丈夫ですか」と声をかけ合える関係は、日頃の何気ない付き合いから生まれるのではないだろうか。
もちろん、人付き合いが得意でなくてもいい。
無理に地域のリーダーになる必要もない。
できることを、できる範囲で。
それくらいの距離感が、私にはちょうどよく感じられる。
助けに行かない勇気も必要だ

最後に忘れてはいけないことがある。
浸水した道路、崩れそうな建物、土砂災害の危険がある場所。
こうした場所へ、十分な安全確認もなく入ってはいけない。
自分の体調が悪いときや、持病などで避難に配慮が必要なときも、無理をしないことが大切だ。
助けたい相手がいるなら、安全な場所から119番などへ通報し、状況を伝えることも立派な助けになる。
災害時に必要なのは、勇敢さの競争ではない。
おわりに|格好いい50代は、危険を増やさない
若い頃は、強い男といえば、何があっても先頭に立つ人だと思っていた。
でも50代になった今、少し考え方が変わってきた気がする。
自分が無事でいること。
家族を安心させること。
仲間と正しい情報を共有すること。
そして、本当に必要なとき、安全にできることから手を差し伸べること。
派手な活躍なんて必要ない。
強い男とは、危険な場所へ飛び込める人ではなく、危険を増やさず人を助けられる人なのかもしれない。
そんな大人になりたいと思う、辺境のおじ様なのでした。
参考資料
- 内閣府「地区防災計画について」 — 自助・共助と地域防災の考え方
- 政府広報オンライン「災害に事前に備える」 — 家族の取り決め、避難場所、職場や地域の備え
- 政府広報オンライン「発災時の行動」 — 地震発生時の安全確保
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル171」 — 安否確認手段の概要
この記事を書いた人
辺境のおじ様|イケおじブログ運営者
地方で暮らす50代男性の目線から、仕事、暮らし、身だしなみ、健康、防災などを考える個人ブログを運営。
専門家としての指導ではなく、同年代の一人として感じた疑問や気づき、自分なりに取り入れたい工夫を発信しています。
人生も後半戦。格好よさだけでなく、家族や仲間への思いやりを持った大人でありたいと思っています。
※防災情報は公的資料を参考にしています。実際の避難行動は地域の状況と自治体の案内に従ってください。
