防災バッグを玄関や押し入れに置いている。
それだけで、なんとなく「うちは防災対策をしている」と安心してしまうことがあります。
私も防災について考えるとき、以前は「防災バッグさえ用意しておけば、とりあえず大丈夫だろう」という考え方をしていました。
ところが大切なのは、バッグを持っていることではなく、今、本当に使える状態なのかです。
50代になると、自分一人が逃げられればいいわけでもありません。
家族のこと、親のこと、自宅で数日過ごす可能性まで考えておきたい。
そこで今回は、辺境のおじ様流に「防災用品を買い足す」前に、まず今ある防災バッグを全部出して点検する方法を考えてみました。
私が困っていたこと|中身を覚えていない

防災バッグの厄介なところは、普段ほとんど開けないことです。
買った直後は、
「ライトも入れた」
「水もある」
「非常食もある」
と覚えているのですが、数年たつと何を入れたか分からなくなります。
防災用品には、食品や水だけでなく、乾電池、常備薬、衛生用品など定期的な確認が必要なものがあります。
そこで、まずバッグの中身を床に全部並べます。
実際に広げてみて、
私の場合は、水の消費期限と電池の使用期限が切れていました。
最初に失敗した方法|リュック一つに全部入れようとした
もう一つ見直したいのが、
「防災用品は全部リュックに入れるもの」
という考え方です。
実際には、避難するときに持って出る物と、自宅で数日生活するための物では目的が違います。
水を家族全員の1週間分リュックに詰めれば、とても背負って逃げられる重さではありません。
そこで私は、
持ち出し品=避難するときに必要な物
家庭備蓄=自宅で生活を続けるための物
と分けて考える方法をおすすめします。
内閣府では、家庭で最低3日間、できれば1週間過ごせるよう、飲料水や食料などを備蓄することを案内しています。水の目安は1人1日3リットルです。農林水産省も、最低3日分から1週間分程度の食品備蓄を紹介しています。
つまり4人家族なら、水だけでも1日約12リットル。
こうして数字にすると、「防災リュックだけでは足りない」と分かります。
実際に試したい方法|床に並べて3つに分ける

私がおすすめしたい点検方法は単純です。
バッグの中身を一度全部出して、
「持って逃げる物」
「自宅に備蓄する物」
「交換・追加する物」
の3つに分けます。
持ち出しバッグには、水、すぐ食べられる食品、ライト、予備電池、モバイルバッテリー、携帯ラジオ、軍手、雨具、マスク、衛生用品、携帯トイレ、現金、必要な薬や眼鏡など。
自宅には、水や食品に加えて、カセットコンロとボンベ、トイレットペーパー、携帯トイレなどを備えておきます。
特に見落としやすいと感じるのがトイレと電源です。
水や食料には目が行くのに、「断水したらトイレはどうする?」「停電した状態でスマートフォンを何回充電できる?」というところまでは考えていないことがあります。
スマートフォンに防災アプリを10個入れていても、電池残量0%では文明の利器から薄い板へ転職してしまいます。
充電確認、大事です。

やってみて気づくこと|「持っている」と「使える」は違う
防災用品を点検すると分かるのは、
所有していることと、災害時に使えることは別
ということです。
懐中電灯があっても電池がなければ使えない。
カセットコンロがあってもボンベがなければ使えない。
非常食があっても、家族全員分として十分とは限りません。
そして意外に重要なのが、「家族が置き場所を知っているか」です。
自分だけが防災用品の場所を知っていても、自分が家にいるときに災害が起きるとは限りません。
50代にすすめたい理由|防災は体力より段取り
若い頃なら多少重い荷物でも何とかなると思っていました。
しかし50代からの防災は、力任せより段取りです。
必要な物を軽くまとめておく。
重い水は自宅に備蓄する。
薬や眼鏡など、自分に必要な物を確認する。
家族と保管場所を共有しておく。
そして食品については、非常食を大量に買って放置するより、普段食べる物を少し多めに買い、食べたら補充するローリングストックの方が続けやすい家庭もあります。
農林水産省も、この方法を家庭備蓄の方法として紹介しています。
非常時だけ登場する謎の缶詰より、普段食べているレトルトカレーの方が、扱いやすかったりします。
向いていない人・注意点
この記事の内容だけで、すべての家庭に十分な備蓄になるわけではありません。
乳幼児、高齢者、食物アレルギーがある人、介護が必要な人などがいる家庭では、それぞれに必要な備えが変わります。
また、自宅周辺の災害リスクによっては、在宅避難より早期の避難が重要になる場合があります。
自治体のハザードマップや避難情報も合わせて確認してください。
そして、防災用品は一度準備して終了ではありません。
私は、衣替えや台風シーズンなど「年に数回、中身を見る日」を決めておく方法が現実的だと思います。
防災バッグは「買った日」より「開けた日」が大事
50代になると、防災は自分のためだけの準備ではなくなってきます。
だからといって、いきなり完璧な防災倉庫を作る必要もありません。
まず今日、防災バッグを一つ開けてみる。
水の期限を見る。
ライトを点灯する。
モバイルバッテリーを確認する。
携帯トイレがあるかを見る。
それだけでも立派な一歩です。
防災バッグは、持っているだけのお守りではありません。
「今日使える状態にしておく道具」です。
押し入れの奥で静かに眠っている防災バッグ。
次の休日あたり、一度起こしてやってはいかがでしょうか。
参考資料
・内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
家庭で最低3日間、できれば1週間過ごせる備蓄、1人1日3リットルの飲料水、携帯トイレなどについて掲載。
・農林水産省「災害時のために、備えていますか?」
最低3日分~1週間分程度の食品備蓄や、1人1日約3リットルの水、ローリングストックについて掲載。
・農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
食品、水、カセットコンロなど、家庭備蓄について具体的に解説。
著者ボックス|辺境のおじ様
地方で暮らす50代男性。
仕事、健康、ファッション、趣味、そしてこれからの暮らしについて、「若作りではなく、昨日より少し格好いいおじ様」を目指して試行錯誤しています。
専門家ではありませんが、自分で試したこと、失敗したこと、公的資料で確認したことを分けながら、同年代の男性に役立つ情報を発信しています。
※防災情報は地域や家庭環境によって異なります。最新の防災・避難情報は国や自治体の公式情報をご確認ください。
