9月。
カレンダーを眺めて、ふと思うことがあります。
「えっ、今年って、もう残り4か月しかないの?」
正月には「今年こそ」と思っていたはずなのに、仕事に追われ、暑さにやられ、気がつけば秋の入口です。
健康も気になる。仕事も何とかしたい。お金も少し整えたい。趣味も楽しみたい。
そう考えているうちに、
「結局、今年も何もできていないな……」
そんな妙な敗北感まで出てくる。
50代になると一年が早い。これはもう、カレンダーがこっそり倍速再生されているのではないか、と辺境のおじ様は疑っています。
しかし最近は、9月から全部を取り返そうとするのをやめました。
残り4か月なら、一つだけ変えればいい。
今回は、年末に「今年も何もしなかった」ではなく、「これは少し続けられた」と言えるための、小さな目標の立て方について書いてみます。
私が困っていたこと|9月になると急に人生を採点していた

以前の私は、秋になると一年間の反省会を勝手に始めていました。
体重は減っていない。
読みたかった本も読めていない。
仕事も劇的に変わったわけではない。
貯金だって思ったほど増えていない。
こうやって「できなかったこと」ばかりを並べると、不思議なもので、そこそこ普通に暮らしてきた一年まで失敗だったように感じてしまいます。
でも考えてみれば、仕事をして、暑い夏を乗り切って、毎日の生活を回してきただけでも、それなりに頑張っている。
50代は、20代のように人生を丸ごと作り替えなくてもいい年代ではないでしょうか。
むしろ必要なのは、暮らしを少しだけ自分の好きな方向へ動かすことだと思うようになりました。
最初に失敗した方法|健康も仕事もお金も全部やろうとした
私がやりがちだった失敗は、目標を増やしすぎることでした。
「朝30分歩こう」
「体重を落とそう」
「資格の勉強をしよう」
「本を毎月3冊読もう」
「毎月もっと貯金しよう」
「部屋も片づけよう」
書き出した瞬間だけは、かなり立派です。
問題は三日後です。
朝は眠い。本は開かない。仕事が忙しくなる。休日になると「今日は休もう」となる。
そして一つできなくなると、
「やっぱり俺は続かない」
となる。
今振り返ると、意志が弱かったというより、最初から欲張りすぎていました。
50代に必要だったのは「人生改革プロジェクト」ではなく、「ちょっとだけ整える計画」だったのです。
実際に試した方法|5分野から一つだけ選ぶ
そこで考え方を変えました。
年末までに変えたいことを、次の5分野で考えます。
- 健康
- 仕事
- 家族・人間関係
- 趣味
- お金
ただし、選ぶのは一つだけ。
たとえば健康なら、「毎日必ず1万歩」ではなく、
「夕食後、歩ける日は10分だけ歩く」
くらいにします。
仕事なら、
「毎朝、今日終わらせたい仕事を一つだけメモする」。
趣味なら、
「月に一度、行ったことのない喫茶店へ行く」。
お金なら、
「まず10日間だけ支出を記録してみる」。
この程度でいいと思っています。
特に健康については、最初から無理な運動量を設定する必要はありません。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なことから取り組む考え方が示されています。
お金についても同じです。
いきなり投資額を増やすより、まず収入と支出を把握する。金融庁も資産形成の基本として、家計管理と生活設計の重要性を紹介しています。
つまり、50代の秋は「大改革」より「現状確認」からでいいのです。
さらに続きやすくした方法|目標ではなく「曜日」に置いてみる

もう一つ、自分なりに続けやすいと感じた方法があります。
それは、
「何をするか」だけでなく「いつやるか」を決めること。
「運動する」では曖昧です。
そこで、
「火曜と木曜の夕食後に少し歩く」
まで決める。
「読書する」なら、
「日曜の朝、コーヒーを飲みながら10ページ」。
これだけで迷う時間が減ります。
やる気が出たらやる方式は、私の場合なかなか始まりません。
なぜなら50代のおじ様という生き物は、休日になるとソファと妙に仲良くなってしまうからです。
やる気より予定。
気合いより仕組み。
このくらいのほうが長く続きました。
変化または気づいたこと|4か月あれば「小さな結果」は残せる

一番大きな気づきは、
年末まで4か月「しかない」のではなく、4か月「もある」
ということでした。
週2回歩けば、単純計算なら年末までに30回前後の機会があります。
月に1冊なら4冊読めます。
月に一度新しい場所へ出かければ、年末までに4つ新しい思い出ができます。
毎月一度、家計を確認すれば4回振り返れます。
こうして考えると、意外とできることがあります。
人生を劇的に変えなくてもいい。
「去年の自分より少しだけいい」。
50代には、そのくらいの上向き方がちょうどいいのかもしれません。
同年代にすすめる理由|50代は「足す」より「選ぶ」が似合う
若い頃は、何でも手に入れたくなりました。
仕事も、遊びも、お金も、評価も。
でも50代になると、時間も体力も無限ではないことがだんだん分かってきます。
だからこそ、
「何を増やすか」より、
「何を大事にするか」
を決めることに意味があると思っています。
健康を一つ整える。
仕事を一つ楽にする。
家族との時間を少し増やす。
趣味を一つ復活させる。
お金の流れを一度確認する。
どれも地味です。
ですが、この「地味」がなかなか侮れません。
派手な目標は三日で消えることがありますが、小さな習慣は年末まで残る可能性があります。
向いていない人・注意点
今回紹介した方法は、「短期間で大きな成果を出したい人」には物足りないかもしれません。
また、健康状態によって運動できる範囲は異なります。持病がある方、痛みや強い不調がある方などは、無理に自己判断で運動量を増やさず、必要に応じて医療専門職へ相談してください。
お金についても、「4か月で資産を増やす」といった考え方ではありません。
投資や金融商品の判断は、それぞれリスクがあります。
この記事でおすすめしたいのは、あくまで自分の家計を確認し、これからどう暮らしたいのかを考えるところまでです。
年末の自分に、一つだけ土産を持たせる

9月になったからといって、今年が終わったわけではありません。
むしろ暑かった夏が終わり、少し動きやすくなるこれからが、大人にはちょうどいい再スタートの季節です。
私なら、紙にこう書きます。
「12月31日の自分に、何を一つ残したい?」
体力でもいい。
仕事の余裕でもいい。
一冊の本でもいい。
楽しかった思い出でもいい。
少し整った家計でもいい。
一つあれば十分です。
今年も残り4か月。
人生全部を変えるには短いかもしれません。
でも、
少しだけ上向かせるには、まだ十分な時間があります。
焦って大ジャンプしなくてもいい。
まずは一歩。
私は、このくらいの速度で秋を歩いていこうと思っています。
参考資料
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
個人差を踏まえ、無理のない範囲で身体活動を増やしていく考え方などを確認できます。
・金融庁「資産形成の基本」
家計管理、生活設計、金融商品の基本的な考え方について紹介されています。
・金融庁「お金と暮らし」
家計管理、生活設計、預貯金、保険、ローン、投資などについての公的情報がまとめられています。
・総務省統計局「家計調査」
全国の世帯の収入・支出、貯蓄・負債などについて調査・公表されています。
※本記事は、50代男性である筆者自身の生活を振り返りながらまとめた個人的な考え方・生活上の工夫を紹介するものです。健康・金融に関する個別の判断を目的としたものではありません。
著者ボックス
[著者名・辺境のおじ様]
地方都市で暮らしながら、仕事、健康、ファッション、趣味、夫婦・家族との時間など、「50代からどう機嫌よく生きるか」をテーマに発信しています。
若作りではなく、無理もしない。それでも昨日より少し格好よく、少し楽しく。
実際の生活で試したこと、失敗したこと、そこから気づいたことを中心に、同年代の男性が気軽に読める記事を目指しています。
